「新井薬師」として有名な梅照院は、治眼の御利益があるとされる都内でも有名な名刹です。
大きな公園が隣接しており、8がつく日は境内で縁日が行われています。
御縁起
元は鎌倉時代の有名な武将である新田家代々の守護仏でした。
が、南北朝の戦乱の続くある日の夕方、お城の仏間から忽然と光が放たれ、御尊像が消え失せてしまったそうです。
月日は流れ、清水の湧く新井の地に、相模の国(今の神奈川県)からやってきた行春(ぎょうしゅん)という僧が、真言密教の行にふさわしい場所として庵を結びましたが、夜な夜な庭の梅の古木から光がでる現象が起き、天正14年(1586年)3月21日不思議に思い掘り起こしたところ御尊像が発見されました。
この御尊像を安置するために、行春が新たにお堂を建立したのが、 梅照院の始まりとされています。
御本尊
薬師如来と如意輪観音
表裏背中合わせに彫られたニ仏一体の黄金仏で、高さ一寸八分(約5.5cm)弘法大師が作ったいわれています。
秘仏の為、御開張は寅年のみ行われているそうで、御拝顔することはできませんでした。
また、本堂には薬師如来を中央として十二の方位に陣を張る色彩豊かな十二神將の像が並んでいました。
御神徳
薬師如来[病気治癒(特に眼病)、健康長寿、災難除去、安産]
如意輪観音[智慧、財福、福徳授与、安産、延命]
江戸時代、徳川二代将軍秀忠の子供の和子の方(東福門院)が悪質な眼病に罹った時、多くの寺院で治癒を願いましたがなかなか病気が治ることがありませんでした。
しかし新井薬師を訪れた際、薬師如来に祈願したところ、たちどころに快癒したそうです。
その後、眼病治癒を願った多くの参拝客が訪れるようになり「目の薬師」と呼ばれるようになったそうです。
また、元和3年(1617年)に如来の啓示により、秀れた小児薬を調整したことなどから「子育て薬師」とも呼ばれています。
本殿横の授与所には、江戸時代から販売されている「め」が左右対称に書かれている「めめ絵馬」や、眼病平癒のお守りなど、眼病治癒に関する授与品が多く並んでいました。
願い地蔵尊
不動堂の横にある「ねがい地蔵尊」は、お地蔵さんの身体にひしゃくでお水をかけて、治して欲しい部分を治癒を願いながらたわしやスポンジで磨くと願いが叶うといわれています。
新井薬師公園
境内の奥に緑豊かな大きな公園がありました。
たくさんの木々が生い茂り、池では釣り糸をたれる散歩客の姿も多くみられました。
その他
参拝時間 約1時間
参詣時間:午前9時~午後5時
アクセス
西武新宿線 新井薬師前駅下車:徒歩5分
JR中央線 中野駅下車(北口):バス5分
関東バス「新井薬師前」「北野神社」下車:徒歩1分
真言宗豊山派 新井薬師 梅照院
〒165-0026
東京都中野区新井5-3-5
TEL:03-3386-1355
FAX:03-3386-1315