浅草寺より歩いて10分ほどにある子院で、浅草名所七福神のひとつ「毘沙門天」も祀られているお寺です。
関東三大聖天、日本三大聖天のひとつでもあり、願いが叶うパワースポットとしても有名なお寺です。
御由緒
待乳山(まつちやま)とは、標高10mほどの東京で一番低い山で、推古天皇の時代(595年)に突然地面が盛り上がり出来た霊山であるそうです。
その時、金龍が天から降りてきて山を守り守護したとされています。
それから6年後の601年の夏の大干ばつの際、十一面観音菩薩が大聖歓喜尊天として現れ、この地を救った言われています。
本殿の中に入ると、天井には龍の墨絵と色彩豊かな天女の姿が描かれていおり、正面にはお供えされた大根が積まれていました。
御本尊とされる十一面観音菩薩ですが、そのお姿を拝見することはできませんでした。
十一面観音菩薩は12月8日の「御宮殿開扉」の一日だけその御姿を拝むことができるそうです。
待乳山聖天とは
聖天は密教の神様で、夫婦和合や子宝のご利益があるとされています。
聖天はよく象頭人身の姿をされているといわれていますが、秘仏とされているのでその御姿はわかりません。
もともとは強欲だったそうですが、十一面観世音菩薩に願いを叶えてもらい、すべての煩悩が解消したことから仏教に帰依することになったそうです。
そのため、何かを断って願い事をすると必ず御利益があるといわれています。
ただ、聖天は俗悪なことが嫌いらしく、約束を破るとか半端な気持ちでお願いをすると罰が当たるといわれているので、本当にお願いしたいことだけを真摯にお願いすると良いと思います。
聖天と大根
聖天の好物でもあり、シンボルとされていて、境内の至る所で大根や巾着のモチーフを見かけます。
境内ではお供え用の大根が¥200で販売されていました。
大根は人間の深い迷いの心、瞋(いかり)の毒を表すといわれており、大根を供えることによって 聖天が身体の毒を洗い流してくれるとの願いから、たくさんの大根が奉納されていました。
ほかにも大根には身体を丈夫にする効能があることや、二又に分かれた部分が根元で引っ付くことから、良縁を成就させるとして、夫婦和合、縁結び、子孫繁栄の御利益があるといわれています。
また、巾着は砂金袋や財宝というイメージから、商売繁盛を表しているともいわれています。
本堂でお供えされた大根は、翌日こ参拝に来られた方に配られていました。
「大根まつり」は、昭和49年(1974年)より行われている伝統行事で、毎年正月七日、元旦以来お供えされた大根を風呂吹きに調理し、お神酒と共に先着2000名の参拝客に提供しているそうです。
大根まつりでは、そのお下がりを頂くことによって、聖天の徳を頂戴し、身体と心の健康を得られるといわれています。
築地塀
江戸時代からある築地塀は、重要文化財に指定されているものです。
東海道五十三次で有名な浮世絵師である安藤広重の絵にも描かれたことがあるそうです。
出世観音
待乳山聖天境内に入って右手。パワースポットとして有名なところです。
足利時代末期に作られたものといわれていて、学業、芸道に御利益があるとされています。
歓喜地蔵尊
境内入って左手に、たくさんのお地蔵様が並んでいました。
子育てのお地蔵様として、深く信仰されているようです。
庭園
本堂に向かって右手の社務所の右側から自由に入ることができます。
この日本庭園は四季折々の花を楽しむことができます。
「成就橋」という橋からはスカイツリーがとてもきれいに見えました。
境内守護、家内安全のお地蔵様や「心願成就」の石碑がありました。
浅草名所七福神 「毘沙門天」
浅草名所七福神は3つのお寺と6つの神社の9社からなる珍しいものです。
待乳山聖天では毘沙門天をお祀りされていて、正月の間だけ御開帳され、その御姿を直接拝むことができるそうです。
その他
御朱印は本殿を入って左手にある授与所にて受け付けてくださいました。
御本尊の大聖歓喜尊天のものと、浅草名所七福神の毘沙門天のものと二種類頂くことができます。
その際、待乳山の由来や聖天、七福神の由来などを住職の方からお話を伺うことができました。
本堂が開いている時間
6:00-16:30(4月~9月)
6:30-16:30(10月~3月)
正月(元旦):午前0時開堂
日本庭園の開園時間
9:00~16:00
アクセス
東京メトロ銀座線「浅草駅」:徒歩10分
都営浅草線「浅草駅」:徒歩10分
東武スカイツリー線「浅草駅」:徒歩10分
駅出口を出て、隅田川沿いの東参道を10分ほど北上すると左手に案内の看板が見えます。
駐車場は確認できなかったので、公共機関を利用して参拝されたほうが良いと思います。
境内には階段を上がっていくのですが、階段のすそに小さいケーブルカーのようなものがあったので、足の不自由なかたなどはもしかしたら利用ができるのかもしれません。
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