神社の神様~日本神話の神々①

最近、出雲の大遷宮がいろいろなところで特集されています。
出雲神話や古事記など 神社にゆかりのあるお話をよく耳にします。

 

古事記とは?

古事記

現存する最古の歴史書で、681年頃天武天皇の命から始まり、711年元明天皇の時期に編集されました。
古事記は 次の三巻で構成されています。
1.神話時代
2.初代天皇~15代応神天皇まで
3.16代仁徳天皇~33代推古天皇まで

日本の神々のお話や国の成り立ちだけでなく、先祖代々語り継がれてきたお話も歴史として語られています。

日本神話の[八百万(やおろず)の神々]とはよく言ったもので、神社にはいろいろな神々が祀られています。
でも、どの神社に どのような神様が祀られているのか、そのご神徳はどのようなものなのでしょうか。

 

日本神話の神々・・・まずは天地開闢神話(天地創造)国生みから

 

伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)

高天原の神に「浮遊している島をまとめよ」との命を受けて、降臨した兄妹神です。
降臨したあと夫婦となり、日本の島々を始め、森羅万象を司る神々次々に誕生させました。
聖なる沼矛で海水をかき混ぜ、淡路島を始めに生み出したという伝承から、淡路島に伊弉諾神宮が鎮座します。
伊邪那美命は火の神である火之迦具土神を産んだときに火傷を負い亡くなり、その後を黄泉の世界で過ごし黄泉津大神と称されました。
伊邪那岐命は黄泉の国へ妻を迎えに行きましたが、死者となり変わり果てた妻の姿を見て恐れをなし逃げ出して決別します。
その時、穢れを落すために禊をした際、天照大御神、月讀命、須佐之男命が誕生しました。

祀られてる神社・・・伊弉諾神宮(兵庫県)、多賀大社(滋賀県)、春殖神社(島根県)ほか ~創造、

 

天照大御神(あまてらすおおみかみ)

 
高天原を統治する至高神であり、皇室の祖神であり日本の総氏神とされます。
太陽の神であり、日の神の巫女ともいわれています。
弟神の須佐之男命の乱暴な振る舞いに耐え切れず、天岩戸に籠った神話はとても有名です。

祀られてる神社・・・伊勢皇神社内宮(三重県) ほか

 

月讀命(つくよみのみこと)

月を神格化し、夜を総べる神とされています。
天照大御神を姉、須佐之男命を弟とした三柱の貴子の一柱です。
あまり古事記には登場しませんが、天照大御神を怒らせたため、別れて過ごすことになり、昼夜ができたとか。
月読、月夜見とも言われ、古代、月を祀っていたところでも祀られるようになったそうです。

祀られてる神社・・・皇大神宮の月讀宮(三重県)、豊受大神宮の月夜見宮(三重県)、月讀神社(京都府)

 

健速須佐之男命(たけはやのすさのおのみこと)

「たけはや」とは「猛々しく進む」という意味。素戔嗚尊とも書くようです。
勇猛ですが自分勝手な素行の多い荒ぶる神で、姉神の天照大御神を始め高天原の神々に厭われて追放されてしまいます。
追放後は国つ神になり、ヤマタノオロチ退治などを行い、出雲の国では英雄になりました。

祀られてる神社・・・須佐神社(島根県)、八坂神社(京都府)

 

火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)

「輝く火の神」や「ものが燃えているにおいのする神」という意味。火の神、鍛冶の神、温泉を恵む神とされます。
神産みにおいて伊弉諾と伊邪那美との間に生まれた神ですが、火の神であったため、出産時に母が火傷を負い死んでしまいます。
そのため怒った父に 十拳剣「天之尾羽張(あめのおはばり)」で殺されてしまいました。
その血や死体から多くの神が生まれたといいます。(石折神、根折神、石筒之男神、建御雷之男神、闇御津羽神ほか)

祀られてる神社・・・愛宕神社(京都府)、秋葉神社(静岡県)など

 

櫛名田比売(くしなだひめ)

八岐大蛇退治の逸話で登場しました。
生贄にされそうになったところ、旅をしていた須佐之男命に櫛の姿に変えてもらい、救ってもらったことから妻になりました。
「寄し稲田姫」とする説などから、稲田の神として信仰されている。

祀られてる神社・・氷川神社(埼玉県)、須佐神社、八重垣神社(島根県)、稲田神社(茨城県)など

 

大国主神(おおくにぬしのかみ)

須佐之男命の息子もしくは孫で、須佐之男命のあと少名毘古那神と協力して、医術などを教え 国造りを完成させました。
しかし天照大御神の「自分の子孫に国を統治させたい」という願いから、高天原の使者に国譲りを要請されます。
しばらくは断り続けましたが、「天の御巣のごとき大きな神殿」を建ててほしいという条件のもと、自ら命を絶ち幽冥界へ去りました。
この約束のもと建立されたのが出雲大社といわれています。
因幡の白兎の逸話でも有名な神様です。
国造りの神として、農商業や医療の神ともされていますが、多くの妻を持ち 180柱もの子を成したことから縁結びの神としても信仰されています。

祀られてる神社・・出雲大社(島根県)、大國魂神社(東京都)、大前神社(栃木県)ほか

 

少名毘古那神(すくなびこなのかみ)

小さな身体をし、様々な神徳をもつとされる神様。
大国主神とともに国作りに尽力をつくして、その後常世国に帰ったといわれています。
大国主命とともに、医療や薬、酒造りや温泉などの神として信仰されています。

祀られてる神社・・大洗磯前神社(茨城県)、北海道神社(北海道)ほか

 

建御雷神(たけみかづちのかみ)

大国主神の息子の一人で、雷神。剣の神ともいわれる天つ神です。
国譲りの際、建御名方神を破り、国譲りを成功させたといわれる武神です。

祀られてる神社・・鹿島神宮(茨城県)、春日大社(京都府)ほか

 

建御名方神(たけみなかたのかみ)

大国主神の息子の一人で、力自慢の神様。
国譲りの際、建御雷神に敗れてしまい、諏訪湖に落ち延びたいわれています。

祀られてる神社・・諏訪大社(長野県)など

 

邇邇藝命(ににぎのみこと)

天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命(あめにぎしくににぎしあまうひこひこほのににぎのみこと)
天照大御神の孫である天つ神。 「ホノニニギ」は稲穂が豊かに実ることという意味だそうです。
国譲りののち、国の統治に務めたとされ、豊穣の神ともされる。

祀られてる神社・・高千穂神社(宮崎県)、霧島神宮(鹿児島県)ほか

 

猿田毘古神(さるたひこのかみ)

天孫降臨した邇邇藝命らを先導したといわれる国つ神。
そのことから 人々を導く神として有名で、旅行の神としても信仰されているそうです。
背がとても高くて赤ら顔をしており、鼻も大きかったといわれえていて、天狗の原型とされています。

祀られてる神社・・椿大神社、猿田彦神社(三重県)ほか

 

木花之佐久夜毘売(このはなのさくやひめ)

降臨した邇邇藝命と結婚しましたが、その後囚われの身になってしまい、救出されたのち自らの身の潔白を証明するために産屋に火を放って 海幸彦と山幸彦を出産しました。
そのような話や桜の精霊のような美しさから、美人と短命を象徴する神様です。

祀られてる神社・・富士山本宮浅間大社(静岡県)、子安神社(三重県)ほか